平凡な一日と貴重な一日

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「責任施工方式」「設計監理方式」どちらを採用するか・大規模修繕

「責任施工方式」「設計監理方式」について

住民の方から、2つの方式のどちらが私たちのマンションにとってより良いかを問う質問をいただきました。

質問された方は、「責任施工方式」に強い関心をお持ちのようです。

 

 

 

平素は、管理組合運営にご協力いただきまして誠にありがとうございます。

 

さて、来る「大規模修繕工事 劣化診断・設計監理会社説明会」に先立ちまして〇〇さまよりご質問をいただいております。

 

ご質問の趣旨は大規模修繕の工事の進め方について、大別すると「責任施工方式」と「設計監理方式」があるなかで、「設計監理方式」を理事会・修繕委員会が推奨する理由を詳しく説明したほうが皆様のご理解を得られるのではないかということとご理解いたしております。

 

別紙、ご質問とご回答を添付いたしましたので、是非ともご拝読の上、説明会にご参加くださいますようよろしくお願い申し上げます。

 

設計監理方式と責任施工方式についてのご質問

 

 

 ヒヤリングした「責任施工方式の会社」と「設計監理方式の会社」の聴取内容を詳しくご説明ください

 

理事会議事録によると理事会における協議の結果「当マンションにおいては品質及び透明性の担保の為、『設計監理方式を採用する』こととして、設計事務所を選定するため、数社から見積書を取得し検討することとしたと明記されております。

 

そして、このことに則り修繕委員会が発足し活動を続けてきました。

しかし、検討をする中で「理事会では設計監理方式を採用することとした」という経緯があるものの、ひとまず立ち返り責任施工のメリット・デメリットも検証すべきではないかという意見が出されました。

その後その意見を踏まえ、責任施工のできる会社として下記3社からヒヤリングを行いました。

 

(1)責任施工方式の会社

A,B,C3社は修繕委員会活動報告書にあるように「責任施工方式」のメリット・デメリットを明確にするためお呼びしました。

責任施工方式の会社は委員会としても「調査、設計を含むすべての大規模修繕工事」を行う能力があると考えていました。施工方式の説明にもあるように、責任施工方式は建物診断、設計監理、実際の修繕工事を全て1社に任せられるメリットがあり、信頼のできる、費用の適切な会社が選定できればコンサルタント(調査・設計・監理)費用が別途かからないため、安い工事費で大規模修繕を行うことができる可能性があります。

 

そこで、当マンションの状況を各社に見ていただきました。

 

その中で、3社とも

①当該マンションの特殊性・独自性

パティオが多く、また、構造も複雑なため屋上部分も多岐にわたっている。その為修理すべき面積を計算すること等が非常に難しくなる。

 

②部材の特殊性

 外壁のタイルが細長く標準とは異なるサイズのタイルを使用しているため交換部分のタイル製造指示や、工法についてのノウハウが必要となる。

この2点を主にこのマンションの特徴として挙げられていました。

 

大規模修繕の施工会社は本来の企業としての発祥が「塗装業」「建物設備業」等さまざまです。その為それぞれの得手不得手もあるそうです。

もちろん調査・設計部門も企業内にはあるものの、シンプルな立方体のマンションとは異なる当該マンションについては、 ①実績のある経験値の豊富な ②大規模修繕工事に特化した一級建築士事務所に「調査・設計・監理」を頼み、その事務所とノウハウを共有しながら大規模修繕を行ったほうが、結果的に満足のいく修繕となるだろうとのご意見でした。

 

 この意見が奇しくもヒヤリングした3社で一致した回答でした。

 

 

(2)設計監理方式の一級建築事務所については、

 各社の提示した資料をもとに経験値(過去の修繕したマンション実績)と、事務所の体制(人員・規模・支援体制)等を主にヒヤリングいたしました。

 

このうち、3社は管理会社のご紹介によるもの、3社はは組合員さまからのご紹介によるものです。

                              

この6社をヒヤリングし理事会・委員会として①②③の3社を今般のプレゼンにお呼びしています。                         

これらの会社については「通常のプレゼン資料」に加え各社に対するヒヤリング事項を参照に「事前質問」を準備しその「回答」とともに各組合員の皆様になるべく早い段階で配布する予定でおります。

その「質問」および「回答」を精査されることによりプレゼンがより充実したものになると考えております。

 

 

同活動報告書 経緯欄に「当マンションの独自性(建物の形状、使用資材等の価格)を鑑み、設計監理方式が望ましいとの認識に至った」との記載があります。

通常、コンサルタント一級建築士事務所等)は、設計や施工監理するに止まり(施工しない)、工事業者が施工します。

つまり、責任施工方式または設計監理方式いずれであっても、施工するのは、工事業者です。

 

 

工事業者は、相応に施工実績を積み重ねているにも関わらず、修繕委員の皆さまに対して、「当マンションの独自性を勘案し、責任施工方式では施工不可能であり設計監理方式、つまりコンサルタント(一級建築事務所等)の指示を要する(不可欠)」と表明するなどしたのでしょうか。

 「施工会社の設計部門」と、特化した「大規模修繕専門の一級建築事務所」の知識の差は私たちが考えている以上に大きなものだと思われます。マンションも大規模マンション・タワーマンション・小規模でシンプルなマンション・年数の経過したマンションと様々です。

 

その中で特にこのマンションの独自性は一般のマンションに比べ特殊なものと考えられます。

繰り返しになりますが

① 仕様書・数量書に相当の技能が必要となること             

② 中庭を有する4棟の建物の集合体であり「パティオ」「大小のベランダ」が多数ある複雑な構造を持つため足場の設置にも工夫を要すること

③ 外壁のタイルが標準と異なり、ハイグレードのオーダーとなるため、タイル製造指示、工法についてのノウハウが必要になること

 

これらは当マンションの独自性と大きく関連するものです。                                                   

それらを踏まえ、更に前年度理事会においても確認されている「ハイグレードなマンションの品質を担保すること」および「透明性を担保すること」を考えあわせ、施工方式の説明にもかかげられてあるメリット・デメリットを総合的に勘案し設計監理方式を推奨するに至りました。

 

 

また例えば、責任施工方式のデメリットには工事施設時の「監理」がないため管理組合での検査が必要と簡単に書かれておりますが、実際の工事にあたっては責任施工方式の場合にはパートナーとなる一級建築士が存在しないため、種々の工事に関する打ち合わせを施工会社と管理組合(具体的には理事会)が直接行わなくてはならないそうです。                          

そして、この負担は時間的にも能力的にも相当な負担となるとのことです。         

現在専門委員会も4名の委員で構成されていますが、これまでも、判断に迷い信頼できるパートナーの存在の必要性や大切さを実感しています。

やはり、専門知識を持った「一級建築士」が責任をもって施工会社とのやりとりをし、組合員の皆様に対する情宣(進捗状況)や工事の監査をしてくれるという体制をつくるべきではないでしょうか。

大規模修繕は何年間にもわたるものです。

その間、組合員の大多数の方が理事会のメンバーとして大規模修繕にたずさわらざるを得ない事業です。

そんななか、負担を少しでも減らす方策としても「一級建築士」という信頼できるパートナーを活用すべきであると業者の方もおっしゃっておりました。

ただ、工事業者はもちろん責任施工方式での工事が不可能とか一級建築士の指示が不可欠と言及したわけではありませんし、もちろん断定したということでもありません。                                   

ただ単に、修繕委員とのヒヤリングにおいて責任施工もできる業者の立場ではありながらも、「このマンションを見て設計監理方式が望ましいと思います」と述べるにとどまっております。                      

ただ、ヒヤリングした各修繕委員全員が責任施工方式の各業者の真摯な言葉に共感し、これまでの情報を精査した結果とあわせ、「設計監理方式」が望ましいとの認識に至った次第です。

 

上記を踏まえ、理事会としては【修繕委員会において検討した結果「設計監理方式を推奨する。

設計監理方式では工事会社への支払いとは別に建築士設計事務所への設計料、監理料といったコンサルタント料が発生するが、正確かつ専門知識を持つ設計会社を選び、パートナーシップを組むことにより、コストダウンも含め大規模修繕をスムーズに進めることができると考える】

との修繕委員会からの提言をもとに、今般、設計監理方式での業者プレゼンを行い、その後「アンケートを実施」し皆様のご意見を集約したうえで、それを踏まえ理事会としての議案提出さらに「臨時総会」での決議をもって、当カルム宮の森ハウス管理組合としての大規模修繕についての方針を決定していきたいと考えております。

 

 

 

同活動報告書 経緯欄に「責任施工方式を推奨する専門業者も無かった。」との記載があります。

何故、専業業者は、責任施工方式を推奨しなかったのでしょうか。

多くの専門業者は、業務として建物診断等コンサルタント業務も手がけているので、コンサルタント業務の収益を取り込むためにも、責任施工方式を望むでしょうから、「責任施工方式を引き受ける自信がない。」「貪欲と思われたくない。」など何らかの理由があってのことなのでしょう。

 

 もちろん、施工会社は責任施工方式で引き受ければ「すべての収益を取り込める」わけですから、責任施工方式を望むこと十分考えられます。

その点も含め真摯に質問したところ、各社ともコンサルタント業務の収益を取り込むことに拘泥することなく「設計監理方式」のほうがこのマンションにとってよいであろうという回答をいただきました。

この事は責任施工業者も良い仕事をするためにはどのような体制を組んでもらったほうが住民の満足のいく仕事ができるか、そのスタンスに立った業者のお考えと拝聴いたしました。

 

また、例えば説明に見えられた業者の方に「あなたがこのマンションに住んでいたとしたらどちらの方式を選ばれますか」との質問をしたところ「設計監理方式」のほうが望ましいと思うという実直な回答でした。

これは、責任施工方式も行なっている会社が目先の利益に捉われることなく当マンションの特質を鑑み誠意をもって回答してくれたものと理解しております。

 

なお、「責任施工方式の業者」は、同時に「設計監理方式の施工会社」の立場でもあるわけです。

各施工会社は十分な施工実績を積み重ねています。

 

そんななか、今後施工会社を「公開入札」する場合には是非とも応札していただきたいとの申し出に対し各社より快諾を得ております。

数年後の「施工会社の決定のプロセスとしてのプレゼンテーション」の場でパートナーとなる設計監理会社の協力のもと、改めて各社の考え方を確認していきたいと考えます