サイカチの木
館山市の旧北条小学校(現中央公園)近くの四つ角にあった「サイカチの木」が2019年の台風15号によって倒れてしまいました。
この木は館山市の天然記念物に指定されていたものです。
樹齢は1000年くらいともいわれていましたが、元禄16(1703年)の元禄地震の時に起こった津波の際にこの木に登って命を救われたという言い伝えが残っています。
房総半島は大地震のたびに隆起している半島ですが、1700年当時は海岸線が館山駅近辺にあったといわれていて、今より200m以上海が迫っていたようです。
逆に言うと、元禄地震と関東大震災の2つの大きな地震で海岸線が200mも後退したことになります。
この木は私が小学校の時から見慣れていましたが、当時から60年たったのに全く樹形も変わらず、狭い道に幹を張り出して立っていました。
幹には大きな空洞も見られます。
残念ながら、そんな木でも、さすがに風速50mもの台風には耐えられませんでした。
ところが、それから2年たち、この倒れた木がまだ青々した枝を伸ばしています。
周りに新しい家も建つようですが、倒れた木を迂回して建物も建てるようです。
生命力の強いこの木、これからも見て行こうと思います。
2021年10月7日 午後10時41分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生しました。
東京で震度5を記録するのは10年ぶりとのこと。
テレビで過去の大型地震の震源地を放送していましたが、「元禄関東地震」の震源地は野島崎と目と鼻の先です。
これでは、津波がすぐに襲ってくるわけです。
日本は本当に地震の多い国なんですね。