2021年3月10日にはじめて札幌市で変異種によるクラスターが発生した。
これは、札幌市内で行われた食品関連会社主催のイベントでクラスターとなったものだ。
さらに10日に続き、16日には別の会社主催のイベントでも発生。この2つのクラスターの参加者の大半は高齢者とのこと。
この記事を読んで、「食品関連会社のイベント」がどのようなものか、皆目見当がつかなかった。
海産物、乳製品の豊かな北海道のことなので、水産物加工会社が取引先販売会社の社長さん方を集めて、商品の展示試食会でも行ったのかと思った次第だ。
でも、参加者がはしごする食品イベントって何だろう。
そんな疑問を持つ人が多かったとみえ、あるテレビ局が「食品関連会社」なるものを直撃取材した。
その結果わかったことは、なんと食品関連会社というのは、高齢者を集めて様々なサプリメント(健康補助食品)や健康食品を販売するためのイベントを主催する会社だということ。
だから、このような販売会(イベント)に集まる高齢者の中には同じような別の会社の販売会にも参加するのかと納得した次第です。
札幌などで月数回、過去に商品を購入した「会員」を招待し「セミナー」という名の販売会を実施しているのだが、今回は東京(変異種発生の確認されている都府県)からきた講師から感染が広がったものということだ。
今回はそのように複数の会場を梯子することによりまたたく間に、感染が広がってしまった。
驚いたこと。その1(高齢者の自制心のなさ)
この、コロナの感染、それも変異種の危険が叫ばれている3月にイベントに参加する高齢者が多数いたこと。
高齢者は若い人を非難してはいられません。高齢者の方が明らかに感染した場合のリスクが高いことはわかっている筈。
それにもかかわらず、のこのこと「イベント」なるものに参加するとは。
呆れるばかりです。こんなことが札幌以外の全国でもおきているのでしょうか?
驚いたこと。その2(イベント自体の問題)
このイベントがいわゆるSF商法ではないかということ。
SF商法とは、締め切った会場に人を集め、日用品、食品などをただ同然で配り雰囲気を盛り上げた後、冷静な判断ができなくなった来場者に高額な健康食品などを契約させる手口です。
むかし、木更津の駅前でティッシュBOXなどを道行く高齢者に配布し、セミナー参加を募っている一団を見かけたことがあります。
SF商法に引き込まれるばかりかこの時期に参加するとは。
2重にあきれるばかりです。
驚いたこと。その3(報道の曖昧さ)
新聞紙上の会社の説明が「食品関連会社」となっていること。
食品関連会社の表記では実態がまったく想像もつきません。
でもSF商法とまでは言わなくとも、販売のセミナーの状況をもう少し詳しく取材すれば高齢者がどのような状態に置かれたかは十分推察できます。
そうすれば、高齢者本人や親族はそのような場所でクラスターが発生したとなれば、参加をやめるか、家族が禁止することでしょう。
そのような報道はあまりありませんでした。唯一某テレビ局が放送して、2社のうちの1社が養〇館とわかった次第です。
でも、そのテレビ局の報道ページにあった番組紹介はすぐに閲覧できなくなりましたが。
驚いたこと。その4 (催事販売事業所で新たなクラスター)
6月4日発表。3か月たった6月。緊急事態宣言下の札幌で催事販売事業所(名称非公表)従業員8人が感染のクラスターが発生。
この催事販売事業所が3月の食品関連会社と同じ形態のものかはわかりません。
しかし、なぜこの事業所の名称を非公表にするのでしょう。参加者名簿があり濃厚接触者が判明できるので公表の必要なしと判断したのであれば、安易すぎます。
普通の催事販売事業所で参加者の名簿を把握しているのでしょうか?
ただでも、日本中の各地と比べて、あまりにもお粗末なコロナ対策の札幌。
沖縄に次ぐ10万人当たりの感染者数と道知事は行っていますが、札幌だけをみれば、沖縄を超しているのではないでしょうか。
死亡者の数も6月4日現在で10日ぶりで10人を下回った、という北海道。連日10人越えで昨日は18人(過去2番目)という最悪の状況です。
せめて、同じ失敗を繰り返さないために、情報は正しく伝えてほしいものです。